『ザ・ライド 〜ハワイアン・ビーチ・ストーリー〜』
2007年 G.W 渋谷Q-AXシネマにてモーニング&レイトショー!
○ストーリー
サーフィンのワールドチャンピオンであるデビッドは、ハワイ・ノースショアでの大会で致命的なワイプアウトに見舞われる。

大波に巻かれて意識を失った彼を救ったのは、デューク・カハナモク(伝説的なサーファーであり、オリンピック100m自由形の金メダリスト)だった。

デビッドは時空を超えて、およそ100年前のワイキキビーチにタイムスリップしていたのだ。

初めのうちは現代との大きなギャップに戸惑い、馴染めないでいたデビッド。しかし、デュークらビーチボーイズとサーフィンに明け暮れ、柔らかなハワイアンミュージックや美しい大自然に抱かれる日々。

そして、ナチュラルな魅力を持ったレフアに出会い、互いに惹かれあっていくことの中で、彼はしだいに変わっていく。

ハワイの"マナ(魂)"の精神が芽生えはじめていた。
そんな頃、再びノースショアの大波に挑戦することになったのだが……
○100年前のハワイとビーチボーイズ
デビッドがタイムスリップした1911年のワイキキは大自然に抱かれ、人々が畏敬の念を持って暮らす豊かな土地であった。観光客やショップなどがひしめき、世界有数のリゾートとなった現在からはまったく想像もつかない光景だ。本作では100年前のハワイの生活慣習や装い、ハワイ特有の言葉が実に興味深く描かれている。

当時のワイキキで唯一のホテル「モアナ・ホテル」に滞在する観光客に、サーフィンを教えて小遣い稼ぎをしていたのが、若きデュークらビーチボーイズだ。彼らの乗るサーフボードは木を削った手作りのもので、ファイバーグラス製の短くて軽い現代のボードとはかけ離れた代物。

初めて味わうクラシックスタイルのサーフィンに、21世紀のワールドチャンピオン・デビッドも少々の困惑気味である。
しかしそれを克服してウォーターマンとして成長していくうちに、現代の人々が忘れがちな自然への畏敬の念を思い出していくのであった。

○デューク・パオア・カハナモク(1890−1968)
1890年、ハワイ・オアフ島のホノルル生まれ。幼いころから海辺で育ち、様々なことを学んだ生粋のワイキキ・ビーチボーイである。当時ワイキキで最も速く泳げる男として噂が広まり、それは1912年のストックホルムオリンピック100m自由形の金メダルで証明される事となる。その後もめざましい活躍を続け、オリンピックで生涯2個の金メダルを含む、5個のメダルを獲得している。また、選手として世界中を回る一方、現地でサーフィンを披露していたデューク。これが、サーフィンが世界中に広まるきっかけとなり、「近代サーフィンの父」として人々から英雄と讃えられることとなる。そしてワイキキビーチには、サーフボードを背にしたデュークの銅像が建てられている。

c2003 Third Reef Pictures.

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